シニアジョブCEOブログ

シニアジョブ代表取締役 中島康恵 ベンチャー備忘録です

50歳以上専用求人サイトのリリースについて

先日、新サービス「シニアジョブ」をリリースしました。

seniorjob.jp

 

50歳以上を採用したい企業が求人掲載して、

50歳以上が求人に応募する。

内容はいたってシンプルな求人サイトです。

 

これまで、私たちは5年以上にわたり50歳以上の人材紹介(エージェント事業)を行ってきました。

 

市場にいる中でシニア就職の問題点が見えてきて、その課題を解決すべく今回のサービスをリリースに至りました。

今回のサービスで日本の50歳以上の就職市場を変え、シニア就職を世界で初めて根付かせてやろうと思っています。

 

まずはこれまで累計2,000人以上の50歳以上の就職支援を成功させてきた経験から

現状日本における、シニア就職周りの問題点を整理します。

 

  1. シニア向け求人サイトが無い
  2. 企業のリスク高い
  3. 採用費用が高い

たぶん僕はこの3点を解決できれば、50歳以上就職市場は間違いなく変わると思っています。

それぞれについて、解説していきたいと思います。

 

1 シニア向け求人サイトが無い

まず、真剣にシニア向けの求人サイトを運営してるところが無いです。

これが一番の問題であるとは思っています。

 

僕はこの業界にいるし、自社採用も最終的決定権があるから採用企業側リアル心情がわかります。

よく各種媒体やindeed等媒体アグリ系サイトに「シニア歓迎」の表記があるけど

これは正直、ほぼ歓迎されてないです。

もちろん100%では無く、一部本当に歓迎はあるが3割以下だと思ったほうがいいと思ってます。

 

採用側の概ねの思考は以下です。

「基本的には若い人を採用したいと思ってるけど、今の仕事と全く同じか、ライバル企業の同職種にいて、希望給料も安かったら採用検討するのもありかな」

 

極めて高いハードルと、シニア採用を検討段階中という会社も含まれています。

 

そして、そこに応募した極めて高いハードルをクリアしてないシニア世代は基本、

書類選考で不採用になります。

それを何度も繰り返していくうちに、徐々に転職意欲・気力が削がれるサイクルです。

 

日本の法律上、求人に年齢制限を記載する事は出来ません。

記載は出来ないし、採用される事は無い。

 

これは

「本当にシニアOKの求人が見つかる迄、応募し続ける」という相当ハードモードの転職活動を意味しています。

 

だからシニア世代の応募は、年齢制限が記載されてない数多くの求人から、本当にシニア採用が可能な企業にあたる迄応募し続けなきゃいけません。

じつはシニア就職の難易度の高さは、この非効率が生み出してると考えています。

 

だからシニアジョブは、50歳以上を採用する企業しか掲載出来ないサイトにしました。

実際にリリース前段階で、50歳以上採用が判断しかねてるお客様約1割程度は掲載をお断りしています。

そこまでしてでも、50歳以上採用の意思決定してる企業様を集める事で、シニア就職の非効率を解消出来ると信じてます。

 

2 企業リスクが高い

2つ目が企業リスクが高い事。

これは「採用できても、できなくてもお金を払う」という

広告媒体特有のビジネスモデルにおける、不採用可能性リスクを指します。

 

多分日本ではリブセンスさん以来、現在では成果報酬型の採用媒体は多くなっています。

が、やはり未だに期間課金モデルの採用媒体は多いと認識してます。

 

シニア採用の場合、僕はここに問題点を感じています。

もちろん成果報酬型であれば、キャッシュ発生タイミングは、期間課金に比べ遅くなります。

が、より採用企業にとって価値を感じるのは、どちらでしょうか。

 

企業は採用する事にお金を払いたくないのでは無く

採用出来るか分からない事にお金を払いたくないのであると仮定しています。

 

なので、シニアジョブでは完全に成果報酬を採用しました。

もちろんこれはユーザ獲得能力がある事が大前提となるビジネスモデルであり、

ユーザ獲得に全集中するという私達の意思の表れでもあります。

 

3 採用費用が高い

「人材紹介の手数料は高い」これは、採用事業者側から一般的に良く聞く人材業界への印象だと思います。

私もそう思ってます。実際に紹介手数料は高い。

今の人材紹介の手数料相場は「想定年収×35%」

年収400万円なら140万円の手数料になります。

 

ただ、市場価値の高い職種においては適正である部分もある為、一概に高すぎるかという議論は、顧客が価値を認めれば価格設定は成立します。

ただ中小零細企業・業界によっては、全く手が出せない金額である事は間違いないです。

 

また、採用がシニア人材であればなおさらです。

いくら能力がマッチしてるとはいえ、

入社後10年も勤務しない人に、想定年収の35%を紹介料として払えるかについては

答えはノーだと思っています。

 

また僕が思うに、人材会社の価値というのは以下に集約されていると思います。

「いい人材を、より安く紹介してくれる事」

これ以外に価値は無いと思っています。

ここでいう「いい人材」というのは、各企業が求める人材なので各採用企業によって異なります。

 

人材会社というのは、採用する側にとって

会社の規模、担当者の親切具合、業界特化、求職者へのヒアリング力、アフターフォローの対応、連絡頻度。

そんな物ほぼ関係ないのです。いくら上記があっても人材を紹介し入社させる事が出来なければ無価値であり

「いい人材を、より安く紹介してくれる事」

以外に、本質的に価値を生むことは無いと考えています。

 

だからシニアジョブでは採用手数料を、1人採用2万円〜と圧倒的低価格化を実現しました。

もちろん職種によって金額は異なりますが、東京都で看護師を正社員で採用しても8万円です。

 

もちろん、もっと高単価設定することも可能です。

おそらく16万円だったとしても掲載希望企業数は変わらないです。

ただ、本当にシニア採用を日本市場で根付かせる為には、破壊的なコスト設定であり、シニア採用希望企業のリスクを限りなくゼロに近づける必要があると考えています。

 

 

ただ我々が、ここまでしたとしても、

「シニアは使いづらそう」という、最もシニア就職を困難にしてる、採用企業側の負のバイアスを取り除く事は出来ません。

 

使いづらいシニアは、確かにいます。

過去の経験にしがみつき、自らの立場理解を出来てない言動を行い、新しい事を学ぶ姿勢が無いシニアは、実際にいます。

 

ただ、これは一部分のシニア層であり、

今まで使用していないITツールを学び、年下上司とも良好な関係を気づき、過去経験から今まで社内になかった効果的なナレッジを共有してくれる。

そんなシニア層は実際に多く存在しています。

 

そういったシニア世代を一人でも多く職場提供する事で、

「シニアは使いづらい」という負のバイアスから、「シニアは割と使いやすい」というニュートラルなバイアスを、一般的にする事を目指します。

 

上記の様な認識が一般化される事で、シニア採用がより一般化していくと考えています。

その礎となる事業として、今後シニアジョブを成長させていきますので、よろしくお願いします。